#010 感じる前に考えよ 2009.06.26 FRI
■吉祥寺の喫茶店で打ち合わせをしていたのだった。
■隣のテーブルに座っていたグループの男が大きな声でシキリと「感じたい、感じたい」とノタマッていたので、何事かと思ったのだ。
「想いをコトバにすると、汚れてしまう気さえする。理屈では無くて、感じたままに作品を作りたい」
概ねそんな内容を喋っていた。帰り際にチラと目をやったら、年の頃は30歳前後か。テーブルにイラストのようなものが拡げられていた。
■こういう言い回しは大学に入った頃はよく聞いた。美術大学であったから、当然作品を作っている人がほとんどで、「感じる」ことを大事にしている、と言う人も少なくは無かった。だがそういう人の作品ほど、えてしてツマラナく時として頭デッカチと感じたのはどういうわけか。思うにそれは他人の批評を逃れるための浅い方便だったのではないか。
良い作品を作っていた人は、皆、考えていた。考えながら感じていた。
■人が自分の作品に向けてくるコトバを一律に「つまらない理屈」などと言ってはならないよ。うんざりする位つまらない「感じ」だってあるじゃないか。 ね、あるでしょう。
■人の振り見て我が振り直せ。コレを他山の石としよう。「感じる前に考える」
コレが架空畳のテーマです。よしよし、今決めた。
■日中は30度を越える日々。6月も終わる。夏が来るなぁ。
小野寺邦彦
ラベル:
生活の冒険